製作行程
一般的な商品によく使われている、「ロストワックス法」(鋳造法ともいいます。
原型をワックスで作って金属を鋳込む技法)ですと、
地金のロスもほとんどなく、複製もでき、コストも低く抑えられるのですが、
地金の質や強度、精度が全く違ってきます。
そのため、このリングは1本1本すべての行程を
ギメルリング用に調整した地金を用い、
一から鍛えてゆく「鍛金法」という技法で製作しています。
地金。下のpt950でおおよそギメルリング2本分です。
地金から2本の角棒をつくり、
刻印を施してから(レーザー刻印の場合は後で入れます)重ねてねじり、リングを作った後、
ヤスリで削って1本の”何の変哲もない”リングに整えていく、
といった行程で製作するために、
見た目の2倍ほどの地金の量と、
1本につき2本以上の手間がかかります。
製作行程
しかし、こうした行程を経ることで、
地金は鍛えられ、ギメルリングとして必要な強度を備えていきます。
金属はその合金の割合はもちろんですが、
加工工程によっても、
まったく違う性質をもつのです。
ここに、ハンドメイドの本来の意味があると信じています。
また、接続部はロウを使わず、”ともづけ”技法を用いており、
ロウ材による純度の低下や変色はほとんどありません。
製作行程
仕上がり (ラインの入ったデザインのギメルリング)
制作者
このリングの製作は、レーザー刻印以外は、いちから仕上げまでひとりの熟練クラフトマンが責任を持ってあたります。
楠元政信プロフィール(別ウィンドウでひらきます)
指あたり(内側の指にあたる部分のことを言います)はギメルリング製作の際にとくに気を使っているところでもあり、
この指あたりのよさがこのリングの特徴にもなっています。
ギメルリングとしての造りの精巧さはもちろん、
熟練職人によるハンドメイドならではの、
ここちよい重さ、地金の質感、
そして、
実際に嵌めたときの「指なじみのよさ」を
実感していただけるのではないかとおもいます。
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Gimmel Ring gallery